映画ファン集合! 自分が見て感動したり、人生観を変えたような映画について語り合いたいと思います。 また、DVDのコレクション紹介とかーーーー。

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平凡な役を演じるデップ

ニック・オブ・タイム

製作年度: 1995年  残された時間90分、銃弾6発、選択の余地なし
監督・製作: ジョン・バダム  製作総指揮: D・J・カルーソー  脚本: パトリック・ジェーン・ダンカン
音楽: アーサー・B・ルービンスタイン 
キャスト: ジョニー・デップ/クリストファー・ウォーケン/チャールズ・Sダットン/ピーター・ストラウス
      ローマ・マフィア/グロリア・ルービン/マーシャ・メイスン/コートニー・チェイス

 これまでのジョニー・デップは、様々な個性的な役が多く、出演作品もユニークで風変わりなものが多かった。
1995年には、多くの作品に出演しているが、この”ニック・オブ・タイム”では、ごく普通の娘を想う父親役で登場している。
 この映画は、90分の出来事をリアルタイムの90分で進行させていく。息もつかせぬ展開で、観ている者はデップと同じ時間を共有し、刻々とラストまで引きずり込まれる。

 ロサンゼルスのユニオンステーション、雑踏の中で獲物を物色する鋭い視線。彼の目に飛び込んできたのは、幼い娘の手を引く、どこにでもいるような冴えない父親の姿だった。娘を人質に捕られた父親は、90分以内にある人物を殺害するよう、拳銃を渡され脅迫される。
 突然の悪夢に襲われる父親ワトソンにジョニー・デップ、鷹の目のように鋭く、冷酷な男スミスにクリストファー・ウォーケンという、実力派2人を配したサスペンスである。

 暗殺の標的は、カリフォルニア女性州知事エレノア(マーシャ・メイスン)。拳銃を手にしたことなどないワトソンは、途方にくれる。誰かに助けを求めようにも、スミスの目がいつも光っているし、娘はスミスの相棒ジョーンズ(ローマ・マフィア)によってバンの中に閉じ込められている。90分以内に知事を殺さなければ、娘の命はない。

 知事がいるホテルの中を、やみくもに歩き回るワトソン。10分過ぎれば、持ち時間も10分減る。知事の護衛のシークレット・サービスや、近くにいた警官に何度も打ち明けようとするが、その都度スミスに阻止される。それどころか、警備による身体検査も拳銃を携帯しているにも拘らず、通過してしまう。後先を考えず警備主任に助けを求めても、取り合ってもらえない。皆グルなのだ。
 組織だった犯罪のスケープゴートにされようとしている。誰が味方かもわからない。そうこうしている内に、刻々と時は過ぎ、リミットの1時半に近づいてゆく。知事を殺すしか、娘を救うことはできないのか?

 映画の経過時間が、ワトソンと娘の運命の時間に近づいて行くという、時の経過と共に緊迫感を盛り上げる絶妙の演出がされている。現実通りに時間が経過する斬新な設定だ。
緊迫感溢れ、緊張の極度に達するデップと冷酷無比なウォーケンの対決。見ている我々も、デップの心情がハッキリ伝わってくる。手に汗握るサスペンスの中で凡庸な人間を演じるデップの恐怖・怒り・絶望が実に見事だ。人事とは思えない、現実に起こりうる現代の恐怖である。
対するウォーケンの許せない残虐・冷酷さ、これも同じように見事に演じている。

 どうにもならない状況で、1時半を迎えようとしているワトソン。映画の残り時間もあとわずか。ラストは、皆で確認して欲しい。
 現実に起こりうる恐怖を、我々はデップと共に体験できる。ジョン・バダムの無駄のない、時間を計算しつくした90分の演出だ。
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