映画ファン集合! 自分が見て感動したり、人生観を変えたような映画について語り合いたいと思います。 また、DVDのコレクション紹介とかーーーー。

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エル・マリアッチ・シリーズの最終章

レジェンド・オブ・メキシコ

製作年度: 2003年 2つの町を始末した伝説の男、エル・マリアッチのハードアクション第三弾 
監督: ロバート・ロドリゲス 製作: ロバート・ロドリゲス/エリザベス・アベラン/カルロス・ガラルド
脚本: ロバート・ロドリゲス 音楽: ロバート・ロドリゲス/アントニオ・バンデラス/ジョニー・デップ
キャスト: アントニオ・バンデラス/ジョニー・デップ/サルマ・ハエック/ミッキー・ローク/エヴァ・メン       デス/ウィレム・デフォー/ルーベン・ブラデス/ダニー・トレホ/エンリケ・イグレシアス/マ       ルコ・レオナルディ

 1992年、メジャー・スタジオの配給作品としては、”史上最低の製作費”(7000ドルと言われている)となった「エル・マリアッチ」ロバート・ロドリゲスは、長編映画の製作デビューをしている。彼はこの作品で、製作のみならず、監督・脚本・編集・録音もこなしている。キャストも彼の友人で固め、ほとんどが素人で、当然メジャーな俳優は出演していない。
徹底して製作費を切り詰めた割には、中々の出来で、サンダンス映画祭の観客賞を受賞している。

 同作品の第二弾として、主役の殺し屋エル・マリアッチにアントニオ・バンデラスを迎え、彼の恋人役にサルマ・ハエック、町のボスの集金人役としてクエンティン・タランティーノもゲスト出演している。
また、「エル・マリアッチ」を観た個性派俳優スティーブ・ブシェミもロドリゲスに自らの出演を志願した。
こうした豪華キャスト陣と予算をかけたド派手なガン・プレー・アクションで第二弾「デスペラード」は大ヒットした。

 そして、エル・マリアッチ・シリーズの最終章が今回紹介するこの作品、「レジェンド・オブ・メキシコ」である。脇役ではあるが、この作品に我らがジョニー・ディップも出演しているのである。
主役のマリアッチには、第二弾に続いてバンデラス、彼の妻になったハエック、ディップは悪徳CIA捜査官役である。その他、麻薬組織のボスにウィレム・デフォー、組織の幹部にミッキー・ロークと、そうそうたる顔ぶれである。大ヒット作「ニュー・シネマ・パラダイス」で、主人公トトの青年時代役をやったマルコ・レオナルディもマリアッチの相棒役として出演している。

 舞台は、クーデターに揺れるメキシコ。情勢を鎮圧するため、奮闘するCIA捜査官サンズ(デップ)であるが、彼は任務を利用して私腹を肥やそうと企む。
酒場で、2つの町を始末した伝説の男、エル・マリアッチ(バンデラス)の話を聞き込んだサンズは、マリアッチに近づき、「クーデターがあり、マルケス将軍がメキシコ大統領の暗殺を計画している。将軍に権力を渡す訳にはいかない。」と、将軍殺害をマリアッチに依頼する。マリアッチは報酬のためでなく、将軍に殺された彼の妻カロリーナ(ハエック)と子供の復讐のために将軍を殺す決意をする。

 しかし、将軍を裏で操っているのは、麻薬王のバリーニョ(デフォー)であった。バリーニョが将軍に多額の金を渡し、大統領の暗殺を依頼したのであった。サンズの真の目的はこの金を強奪する事であった。
次にサンズは、元FBI捜査官のラミレス(ルーベン・ブラデス)にもバリーニョの動きを探るための調査を依頼した。ラミレスは同僚をバリーニョに殺された事で、彼を逮捕したがっていた。現役のFBIと偽り、組織の幹部であるビリー・チェンバーズ(ミッキー・ローク)に近づく。ビリーは組織を抜けたがっており、ラミレスへの協力を約束する。

さらに、サンズはAFNの女性捜査官アヘドレス(エヴァ・メンデス)まで巻き込み、(彼女はサンズの恋人)バリーニョを逮捕させ、クーデターの裏で動く金を奪おうとしていた。

 それぞれの登場人物が、各々の思惑で迎えた11月2日”死者の日”クーデター勃発の寸前に、サンズはバリーニョに捕えられーーー。
マリアッチは、祖国と妻子の復讐のために立ち上がる。クーデターを企む者と阻止しようとする者、クーデターで動く大金を狙う者、組織から抜け出そうとする者、同僚の復讐を誓う者、それぞれの想い、思惑が絡み合う運命の日。メキシコを揺るがす激戦が火蓋を切る!

 圧巻は、ラストの銃撃線であるが、そこにたどり着くまでの各人の心理描写が見事に描かれている。それぞれの役者が、役回りの人物の性格・思考・行動パターンをあまりなく演じ、人物の個性が良く分る。そこには、生きている人間そのものが演出されている。人間性が表れない単なるドンパチ物はつまらないものである。
それぞれが哲学を持ち、生きる目的がある。善玉も悪玉もーーー。
デップは非情な冷血漢を演じている。デフォーは、悪の大物役を演じているし、エヴァは女性捜査官ならではの心理状態をみせている。ハエックには、愛する者への愛おしさを感じるし、それに応えるバンデラス。友情のため死をも恐れぬ彼の相棒二人、人の良さを魅せるブラデス、悪人ながら憎めないローク。
それぞれの人物全員の個性が描かれている作品も少ないと思う。

 この作品の根底に流れているのは、舞台はメキシコでも、”マカロニ・ウエスタン”だと思う。そこには、ロドリゲスが敬愛しているマカロニ・ウエスタンの巨匠セルジオ・レオ―ネの影響が強く感じられる。
 しかし、マカロニでは登場人物全員の人物は描かれていない。そういった意味では、この作品は、マカロニ風ではあるが、より人物描写に力を入れたマカロニを遥かに凌ぐ作品であると思う。

 また、通常シリーズ物は、回を追うに従い、落ちていくものだが、この作品は、「マリアッチ」の集大成となっている。7000ドルという低予算から始まったこのシリーズであるが、回を追うごとに迫力を増すばかりでなく、人間の持つ幅の広さに焦点を当ててきている。
人間というものを非常に考えさせられた作品であった。
製作・監督・脚本と音楽までこなすロドリゲスの才能には脱帽である。セルジオ・レオ―ネの愛弟子であるクリント・イーストウッドを思い起こさせた。
なお、この作品中に流れる音楽は、他にもデップもバンデラスも作曲し、ハエックはヴォーカルまで取っている。
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