映画ファン集合! 自分が見て感動したり、人生観を変えたような映画について語り合いたいと思います。 また、DVDのコレクション紹介とかーーーー。

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2001年第73回アカデミー賞5部門ノミネート作品

ショコラ

製作年度: 2001年  すべての人を幸せにする不思議なチョコレートを売る母娘の物語     
監督: ラッセ・ハルストレム  製作総指揮: アラン・C・ブロンクィスト/メリル・ポスター/ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン  
製作: デイヴィッド・ブラウン/レスリー・ホールラン/キット・ゴールデン
原作: ジョアン・ハリス  脚本: ロバート・ネルソン・ジェイコブス  音楽: レイチェル・ポートマン
キャスト: ジョニー・デップ/ジュリエット・ビノシュ/ジュディ・デンチ/キャリー=アン・モス/レナ・オリン/ アルフレッド・モリーナ/レスリー・キャロン

 古くからの伝統が根付き、氷のように閉ざされたフランスの小さな村にやってきた不思議な母娘。二人は、村の人々が見たこともない美味しそうなチョコレートのお店を開店する。客の好みにピタリと合わせて勧められるチョコレートに村の人々は虜になっていき、皆の閉ざされた心を解き放っていくがーーー。

 これは、古い伝統や慣習に縛られた人々の閉ざされた心を、暖かく開いていく開拓者と、伝統・慣習を守ろうとする保守的な権威者との衝突であり、心温まる感動的なファンタジーである。
 昔から、チョコレートには、鎮静効果と共に、ちょっとした興奮作用を促すカカオも含まれている。情熱を表すものとして、ヴァレンタインデーに贈られる事になってからも歴史がある。

 冬のある日、伝統が深く根付く村に謎めいた女性ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)が、娘と共に越してきて見た事もないような美味しそうなチョコレートで溢れたショップを開く。自分たちの好みのチョコレートを勧められた村の人々は、すっかり虜となり、カトリックの断食期間である四旬節にも、教義に反してチョコレートを食べている。村の指導者であるレノ伯爵(アルフレッド・モリーナ)は、この事実に愕然となり、村人にチョコレートショップへの出入りを禁じ、ヴィアンヌを村から追い出そうとする。そんな時、ジプシーの青年ルー(ジョニー・デップ)が村にやって来て、ヴィアンヌに好意を抱いて彼女に協力していく。村の人々は少しずつ変わっていくがーーー。

 娘(キャリー=アン・モス)と絶縁して、孫にも会えず、孤独に暮らすアルモンド(ジュディ・デンチ)や、暴力夫の元から逃げ出すジョセフィーヌ(レナ・オリン)は、ヴィアンヌのチョコレートにより、違った人生観を見出される。
その他にも、一粒のチョコレートは、倦怠期の夫婦に愛の炎を甦えさせたり、老女に恋する老紳士に秘めた恋に踏み出す勇気を与えたり、いがみあう隣人にさえ、友情を芽生えさせていく。
村にやってきたジプシーのルーは、チョコレートではなく、ヴィアンヌその人に好意を寄せて彼女の理解者となる。流れ者同士の共通点を見た二人は、自然に恋するようになる。デップは、ここでも人を魅了する優しさを演じている。ヴィアンヌは多くの村人に幸せを与えるが、それを快く思わない人間は必ずいるものだ。特に閉鎖社会においては、ルーも含めたよそ者に対しての警戒は強いものだ。そのため、ルーの舟は焼かれ、彼は去っていく。やがてヴィアンヌ母娘も村を出て行こうとするがーーー。

 一粒のチョコレートが人々に幸せを贈る、このジョアン・ハリスの原作は確かに素晴らしい。
しかし、普段見慣れている景色や人々が、少しずつ違って見えてくる映画の演出は見事だ。笑いあり、涙あり、ハラハラしたり、ドキドキしたり、チョコレートの温かい雰囲気に包まれ、素晴らしい音楽に酔っている内に、いつのまにか映画の世界に引きずり込まれ、見終わった後に幸せな気分を感じさせられた。

 まさに、チョコレートの甘さと苦さを味あわされる作品である。
定住者から漂流者への憧れ、また逆に漂流者から定住者への憧れが、見事に表れている。保守的な考えと斬新な思考、伝統と変化、自由と戒律、情熱とモラル、愛と憎しみ。相反する事象が、常に対称されているのだ。
この物語に、悪人は登場しない。衝突は、考え方の相違だけであり、それぞれのキャラクターが、生きて描かれている。ラッセ・ハルストレム監督は、すべての登場人物に、命を吹き込んでいる。

 物語は、たまたま麻薬のようなチョコレートを題材にしているが、ヴィアンヌやルーは、何者なのであろう。
自由人の彼等は、我々現代人に忘れたものを思い出させる、伝道師のような役割ではなかろうか?
とにかく、ほんのりとした甘いチョコレートの香りが、暖かく包み込み、上質に料理された見事な作品である。
ファンタジーでありながら、真実を語っている。見た者を、優しく幸福な気分にさせてくれる。
コメント
この記事へのコメント
映画って面白いですねさんへ
コメ有難うございます。
現代人は、”こころ”を失っていますからね。

こうしたほのぼのとした作品には、心を洗われます。
2010/07/13(火) 20:27 | URL | kurimasa #-[ 編集]
はじめまして。

>ヴィアンヌやルーは、何者なのであろう。
自由人の彼等は、我々現代人に忘れたものを思い出させる、伝道師のような役割ではなかろうか?

いいですね。愛のこもったチョコレートで人々に忘れてしまった何かを取り戻させる伝道師って、素敵ですね。
映画を観ている人にもチョコレートの魔力が伝わってくるようで、映画を見終わった後チョコレートを買いに行ってしまいました。

2010/07/13(火) 14:40 | URL | 映画って面白いですね。 #-[ 編集]
初めまして
東京在住のNARCYと申します。
色々映画を検索中にこちらに辿り着きました。
すごい情報量とコレクションですね。関心します。

最近オムニバス映画のサイトを開きました。よろしければご覧頂き、感想などを聞かせて下さい。

http://web.me.com/omnibusworld
オムニバス映画ワールド

アクセスお待ち申します。
宜しくお願いします。
2010/03/02(火) 03:52 | URL | NARCY #JalddpaA[ 編集]
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