映画ファン集合! 自分が見て感動したり、人生観を変えたような映画について語り合いたいと思います。 また、DVDのコレクション紹介とかーーーー。

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第二のチャプリンを魅せるデップ

妹の恋人


製作年度: 1993年 神経を病んだ妹を見守る兄と、その妹と恋に落ちる風変わりな青年との交流
監督: ジェレマイア・S・チェチック  原案・脚本: バリー・バーマン  製作総指揮: ビル・バダラート
音楽: レイチェル・ポートマン
キャスト: ジョニー・デップ/メアリー・スチュアート・マスターソン/エイダン・クイン/ジュリアン・ムー      ア/オリヴァー・プラット/C・C・H・パウンダー

 まず、この映画には無駄がない。ベニー(アイダン・クイン)とジューン(メアリー・スチュアート・マスターソン)の兄妹は、幼い頃に火事で両親を亡くしたことが、中盤に分かるが、死体袋に包まれた両親の姿が、回想シーンでチラッと出てくるだけで、それが原因で妹ジューンが精神に支障をきたし、自閉症気味になったことを想像させる。
 ラストも、これまで妹を親代わりに世話し、自分の人生を犠牲にしてきた兄ベニーもジューンとサム(ジョニー・デップ)が一緒にアパート暮らしを始めることになったことから、アパートの管理人であり、レストランのウェートレスをしているルーシー(ジュリアン・ムーア)と結ばれることを暗示している。
 自分は、観衆に想像させる作品が好きだ。ダラダラと状況説明を映画の中ですることはないのだ。最近の映画は、2時間を超す作品が多いが、この映画は99分でまとめている。原作・脚本も素晴らしいが、監督の手腕に脱帽する。

 車の修理工場で働くベニーは、一日中家にいる妹ジューンに些細な事で仕事場に電話される。車の修理を終えた後、美人の女性客にお礼の食事に誘われても、妹の事が気になるため、誘いを断る。友人のエリック(オリヴァー・プラット)に、「もっと自分の人生を大事にしろ」と言われても、彼は、「結局自分の人生は、車を修理することと妹の面倒を見続けること」と割り切り、自分の人生を犠牲にしている。
 
 彼等の楽しみはポーカーで、妹と一緒に友人宅に向かう時に、木登りをしていた不思議な青年に出会う。それが、サムであった。サムは、ベニーのポーカー仲間マイクの従兄であり、同居を押し付けられたマイクは、彼に手を焼いていた。サムは映画好きで、夜中にテレビ映画を観るだけで、読み書きもできないというのだ。

 或る日、ベニーが居ないところで、ジューンはポーカーに参加した。賭けの条件は、負けたらサムを引き取るというものだった。ジューンは負けて、家にサムを引き取ることになる。
 これまで、何人も来た家政婦とすべて上手くいかなかったジューンも、サムは気に入った。
ベニーは、精神科医のガーペー(C・C・H・パウンダー)から、ジューンを施設に預けるよう勧められていたが、決心がつきかねていた。
 しかし、家に同居させたサムが、お手伝い件ジューンのお守ということになり、誰ともうまくいかなかった妹とも気心があったことに安心する。
ルーシーともデートするようになるが、やはり妹が気になって、彼女に今一歩踏み込めない。そのことで、ルーシーとも気まずくなる。
落ち込んで、ルーシー、サムと3人で公園に行くが、彼の気持ちを察したサムは、ベニーを元気づけるため、ステッキと帽子で、チャプリン顔負けのパントマイムを演じる。堂に入った演技に大勢の人が集まってくる。彼等の顔には、笑顔があった。
 デップのこの辺の演技が、称賛に値する。至って自然で飾り気がない。大袈裟な大道芸人ではない。本人は、至って真面目なのだ。その事が、人々を余計に笑わせる。サムが、映画好きの設定から、チャプリンも大いに研究したのだろうが、その描写は出てこない。そこも、この作品の無駄がない所だ。
 
 公園のシーンだけでなく、初めて3人で行ったレストランでも、2つのパンをフォークで刺し、ダンスさせる芸や、家の壁をモップで掃除する際、大きな音楽に合わせて乗ったソファーを、スライドさせて動き回るシーンや、アイロンでトーストを焼くシーン、ラストに病院の窓から見えるように屋上から吊ったゴンドラに乗り、ブランコの様に揺らしながらのパフォーマンスなどが圧巻である。無口な彼は、眼の動きで感情を表し、全身を使って自然に演技している。”シザーハンズ”に続き、この作品でも『ゴールデン・グローブ賞』にノミネートされたのも当然だろう。

 べニーは、サムの才能を見抜き、コメディアンのオーデションを受けさせる手はずをつけるが、それが気に食わないジューンと言い争いになる。さらに、彼女とサムの関係を知って、サムを家から追い出した。怒ったジューンは、サムとバスに乗って駆け落ちするが、緊張のあまり発作を起こして精神病院に入れられてしまう。

 病院の待合室で、顔を合わせたベニーとサム。ベニーはサムに詰め寄るが、サムの言葉「今まで貴方を尊敬していた。でも今は違う。貴方は恐れている。」に考えさせられる。
自分は妹を愛しているが、彼女の気持ちまで束縛してきたと。そして、ジューンにとってサムが必要だと気づく。この時の二人の眼の表情が良い。今まで、おどけた表情しか見せなかったサムの眼は、実に淋しそうだったし、ベニーもやるせなさそうな眼をしていた。

 結局、2人にアパート暮らしをさせ、自分とは離れて暮らすことにする。そして、自分もーーー。
この映画は、色々な『愛の形』を見せてくれた。そして、我々に充分考えさせる作品になっている。 
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