
1967年 アメリカ・ニューシネマ 実話を基にしたギャング映画のバイブル
監督:アーサー・ペン 脚本:デービッド・ニューマン 音楽:チャールス・ストロース
キャスト:ウォーレン・ビーティ/フェイ・ダナウェイ/ジーン・ハックマン/マイケル・J・ポラード
前回述べた【卒業】と共に、67年のアメリカ・ニューシネマ。【卒業】が、自分にとって、恋愛のバイブルなら、この作品は、ギャング映画のそれである。 背景は、1930年代のアメリカ恐慌時代。
職に焙れた若者が、食っていくためには、ギャングになるしかなかった。
アメリカ全土を震撼させた、実在の人物、ボニー&クライド。
誰でも最初から、凶悪犯である訳がない。どこにでもいる、普通の若者がなぜーーー。
凶悪事件が続く現代において、考えさせられる作品である。
感化院あがりで、今日も車泥棒目的にぶらつく、クライド(ウォーレン・ビーティ)に声をかけたのは、ウェイトレス稼業に飽き飽きし、新しい冒険を夢見ているボニー(フェイ・ダナウェイ)であった。
クライドは、鼻っ柱の強いボニーに惹かれ、勇気のほどを見せるために、食料品店に押し入り、金庫の金を簡単に盗み出した。彼女は、彼の大胆さに惚れ込み、ハートを預ける決心をする。
肉屋へ押し入り、店のオヤジの抵抗にあい、銃で撃ってしまったクライド。ふとした事から、初めての殺人を犯してしまい、自責の念に駆られながらも、生きるために逃げる二人。
ここから、犯罪の道へ突き進んでいくのであった。やがて、ケチなコソ泥C・W(マイケル・J・ポラード)
や、クライドの兄(ジーン・ハックマン)夫婦が加わり、一大強盗団として、全米の銀行を襲撃していくことになる。FBIに追われる彼ら。兄貴が撃たれ、半狂乱になるその妻。
いつまでこんな生活が続くのか、やがて警官隊に待ち伏せされ、ラストの壮絶な銃撃シーン。
貧しい時代の貧しい家庭に育った二人。両親の愛情からも社会からも見放され、生きる目的もなく、お互いの愛だけを頼りに悪の限りを尽くした不況時代の申し子。権力と富への挑戦者ボニー&クライドの悲しい青春ドラマ。
見かけによらず、クライドは、性不能者。それでも「彼しかいない」と、離れられないボニー。
世間には恐れられ、警察には憎まれ、あまりに短く散っていったふたりが求めた幸せと夢は、何だったのであろう。ひとつの愛のかたちを見せられた。
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