映画ファン集合! 自分が見て感動したり、人生観を変えたような映画について語り合いたいと思います。 また、DVDのコレクション紹介とかーーーー。

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ティム・バートンが、ルイス・キャロルの『不思議の国

のアリス』に斬新な脚色をほどこした作品


アリス・イン・ワンダーランド

製作年度: 2010年 不思議の国のアリスの“その後の冒険”の完全オリジナル・ストーリー 
監督: ティム・バートン 製作総指揮: クリス・レベンゾン 製作: ティム・バートン/リチャード・D・ザナック/ジョー・ロス/スザンヌ・トッド/ジェニファー・トッド 原作: ルイス・キャロル 
脚本: リンダ・ウールヴァートン 音楽: ダニー・エルフマン
キャスト: ミア・ワシコウスカ/ジョニー・デップ/ヘレナ・ボナム=カーター/アン・ハサウェイ/アラン・リックマン/マイケル・シーン/クリストファー・リー/クリスピン・グローヴァー/マット・ルーカス/スティーヴン・フライ

 舞台は、1855年のロンドン。19歳のアリス(ミア・コシユウスカ)は、今でも不思議な世界の夢を見る。ある日、アリスは退屈な男ヘイミッシュからプロポーズを受けるが、周囲の祝福ムードにも、まったくその気になれない。洋服を着たウサギを追いかけ、小さな穴にもぐりこむと、そこは、アンダーランドと呼ばれる不思議の国だった。太った双子や白ウサギなど、不思議な生き物たちに、暗黒の時代となったアンダーランドを救うため、独裁者の赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)と闘って欲しいと懇願されるアリス。戸惑いながらも、やがて帽子屋マッド・ハッター(ジョニー・デップ)に引き合わされ、一緒に戦う決心をするが…。

 ティム・バートンのイマジネーションによって生み出された不思議な国には、個性豊かな住人たちが登場するが、奇天烈な格好をしたマッド・ハッターのインパクトはもちろんのこと、赤の女王を演じたボナム=カーターの怪演が凄まじい。

 この作品は、誰しも一度は読んだであろうルイス・キャロルの名作、『不思議の国のアリス』の続編で、主人公のアリスは、幼い頃にこの地で冒険を繰り広げたことを、すっかり忘れている。19歳になって、アンダーランドの救世主となって赤の女王と対決する事になる。
この辺は、ピーターパンの話につながる。
 
 アリスを呼び寄せた白ウサギ(声:マイケル・シーン)といい、芋虫のアブソレム(声:アラン・リックマン)など大物俳優が声だけで出演している。
それにしても特筆すべきは、バートン監督の恋人と言われるボナム=カーターの怪演である。彼女は、「チャリチョコ」でも「スウィーニー・トッド」でもデップと共演しているが、これまで何度もアカデミー主演女優賞やゴールデングローブ賞にノミネートされてきただけの事はある。
自分は、当代きっての演技派女優だと思っている。
 映画というのは、正義の主人公よりも、特徴ある悪役の演技で面白さが決まるというのが、自分の持論であるが、この作品も彼女の出演がなければ単なるお伽噺で終わってしまったと思う。

 デップは相変わらず、ストレンジな役の方が似合う男優である。「シザー・ハンズ」しかり、「妹の恋人」「エド・ウッド」「ノイズ」「スリーピー・ホロウ」「シークレット・ウインドウ」、「チャリチョコ」、「スウィーニー・トッド」など、フリークな役の方が合っている。正統派の前作「パブリック・エネミーズ」のような作品は、誰でも演じられる気がして、デップらしさが出ていないと思った。(すべて自分のブログで紹介済み)
 今回も、帽子屋マッド・ハッターという名前のごとく、マッドぶりを発揮している。
全体的には、ストーリーは子供向けの単純な勧善懲悪となっている。(同じ勧善懲悪でもチャリチョコの方が深い中身が合った)。まあ、ディズニー映画という事から、童心に帰り、子供の視点から見なければならない作品であろう。
 むしろこの作品は、ストーリーで見るのではなく、バートン独自のオリジナリティなアート感覚の映像美にあり、3D全盛時代の象徴的作品といえるであろう。
音楽も、相変わらずダニー・エルフマンは、ファンタジーの世界を演出する第一人者だと思う。

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本作撮影途中で急死したヒース・レジャーの遺作

Dr.パルナサスの鏡

製作年度: 2009年 人々の隠れた欲望を形にする魔法の鏡を出し物に一座を率いるパルナサス博士
監督: テリー・ギリアム 製作総指揮: デヴィッド・ヴァロー/ヴィクター・ハディダ
製作: ウィリアム・ヴィンス/エイミー・ギリアム/サミュエル・ハディダ/テリー・ギリアム 
脚本: テリー・ギリアム/チャールズ・マッケオン 音楽: マイケル・ダナ/ジェフ・ダナ
キャスト: ジョニー・デップ/ヒース・レジャー/クリストファー・プラマー/ジュード・ロウ/コリン・ファレル/リリー・コール/アンドリュー・ガーフィールド/バーン・トロイヤー/トム・ウェイツ

 「ダークナイト」でバットマンの新境地を開いた(バットマンシリーズは悪役で持っている)トニー役のヒース・レジャーを始め、Dr.パルナサスにクリストファー・プラマー、撮影中に急死したヒース・レジャーの代役として、ジョニー・デップ/ジュード・ロウ/コリン・ファレル等の豪華キャストである。
 タイトルからして、サスペンスを予感させたが、イマジネーション溢れる奇想天外なファンタジー作品である。
モンティ・パイソンの元メンバーで、カルト的人気監督・鬼才テリー・ギリアムの映像世界が広がる。
旅芸人の古めかしい舞台から、Dr.パルナサスは、我々を不思議な鏡の中の世界へと導いてくれる。

 2007年のロンドン。旅芸人の一座が今にも壊れそうな馬車で現れる。座長は年齢1000歳以上といわれるパルナサス博士。出し物は、人の心の中の欲望を具現化する“イマジナリウム”と呼ばれる鏡。博士に導かれて鏡を通り抜けた客は、自分の願望を反映した幻想世界を体験できるのだ。だが、怪しげな出し物に興味を持つ客はいない。いかにも売れない旅芸人である。

 博士は怯えていた。かつて僧侶だった時に、悪魔のMr.ニック(トム・ウェイツ)にそそのかされて、1人の女性に恋をしたのである。不死と若さを手に入れる代わりに、生まれた娘が16歳になった時、悪魔に娘を差し出す約束をしてしまったのだ。
娘ヴァレンティナ(リリー・コール)は、何も知らず、殺されそうになっていた青年トニー(ヒース・レジャー)を助ける。記憶喪失の彼は一座に加わると、巧みな話術で女性客を惹きつけ、ヴァレンティナも彼に心を奪われる。
16歳になる3日前、悪魔のニックが現れ、博士に賭けを持ち込む。鏡の世界に入り込んだ客に、悪魔の欲望の道と博士の良識ある道を選択させて、先に5人を獲得した方が勝ちというものだった。この賭けに勝てば娘を渡さなくてもいいと告げる。事情を知ったトニーは、次々と客を博士の道へ導く。しかし残り1人になった時ーーー。
鏡の中に逃げ込むトニーとヴァレンティナ、果して彼等の運命は?

 人々の欲望を映し出すという鏡、トニーやヴァレンティナの欲望とは何だったのだろう?
人々は、悪魔の欲望の基地を選ぶのか、善の道を選ぶのか?
この作品は、デップ主役というより、主人公トニーを巡って現代を代表するヒース・レジャー、ジュード・ロウ、コリン・ファレル、デップと4人の演技が見物である。
ストーリー自体は大した事がないが、人間の多面性をトニーという一人の青年を通して、4人の大物役者に演じさせたというテリー・ギリアムの演出が光る。彼は、監督だけでなく、制作・脚本にも名を連ね、鏡の中に自分の世界を広げている。

 ヒース・レジャーにとっては、この作品が遺作となってしまったが、今回ばかりはデップの演技も彼に食われている。ジュード・ロウとコリン・ファレルも素晴らしい。鏡の中の4つの顔。ヒース・レジャーの急死がなければ、トニー役は彼がすべて演じたのか?急死によって豪華キャスト作品になったのか?
人々の心を試す、悪魔のニックの意図と言い、多くの謎を含んだ作品である。


カリブの海賊の最終編

パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド

製作年度: 2007年 前作で仕掛けられた謎・伏線がついに結実。同じスタッフで3部作の完結! 
監督: ゴア・ヴァービンスキー 製作総指揮: ブルース・ヘンドリックス/エリック・マクレオド/チャド・オマン/マイク・ステンソン
製作: ジェリー・ブラッカイマー  ストーリー: テッド・エリオット/テリー・ロッシオ/スチュワート・ビーティー/ジェイ・ウォルパート
脚本: テッド・エリオット/テリー・ロッシオ  音楽: ハンス・ジマー
キャスト: ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ジェフリー・ラッシュ/ジョナサン・プライス/ジャック・ダヴェンポート/トム・ホランダー/ビル・ナイ/チョウ・ユンファ

 ジョニー・デップの主演作品を古い順にレビューしてきたが、彼の最高傑作の3部作が、3週に渡ってテレビ放映された事は、全くの偶然である。バレンタインデーが近づいた時に、”ショコラ”を書き、テレビ放映と同時に”カリブの海賊シリーズ”を書けた事は幸運であった。運命的なものも感じる。(笑)
 
 とにかく、”カリブの海賊”は、全世界を熱狂させた空前絶後のスーパーエンターテイメントである事は疑う余地もなかろう。シリーズ3部作がここに完結する。
 このシリーズは壮大なストーリー展開で、1部のラストに2部の、2部の終わりに3部への伏線が散りばめられている。つまり、1部がヒットしたから続編が作られるという最近の映画とは、構想自体が異なるのだ。

 完結編の舞台は、カリブからアジア、そして前人未到のワールド・エンド(世界の果て)へ。滅亡の危機に追い込まれた海賊たちは、世界各地の海を納める「伝説の海賊」たちの名のもとに集結し、海賊史上類のない決戦のために立ち上がる。
自由を愛する孤高の海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)、海賊の血を引く情熱家ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)、そして海賊の魂を持つ令嬢エリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)、愛すべきヒーローたちが、シリーズのクライマックスに向けて、最後の冒険へと旅立つ。

 第1作目で不死身の海賊キャプテン・バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)からブラックパール号を奪い返したジャック。第2作目では、「深海の悪霊」デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)が操る「深海の魔物」クラーケンの餌食となってしまったジャック。
 そして、シリーズ3部作の完結編。自由を謳歌し、7つの海を駆け巡った海賊の時代は終わりを告げようとしていた。世界制覇をもくろむ東インド貿易会社のベケット卿(トム・ホランダー)は、デイヴィの心臓を手に入れ、彼と幽霊船フライング・ダッチマン号を操り、海賊たちを葬っていく。今や海賊たちが生き残る道は一つ。9人の「伝説の海賊」を招集し、世界中の海賊たちを蜂起させ、命運をかけた決戦を挑むだけであった。しかし、鍵を握る9人目の「伝説の海賊」こそ、死んだと思われるジャックその人であった。

 シリーズ3部作のタイトルが謎に満ちている。”呪われた海賊たち”、”デッドマンズ・チェスト(死者の宝箱)”、”ワールド・エンド(世界の果て)”。どういう事でタイトルを付けたかが、重要な意味を持っている。
すなわち、何を食べても、何を飲んでも味が分らず、死者となっても生き続ける”呪われた海賊たち”。
この死者たちをあの世に導くための使命を女神カリプソから与えられながら、それを怠り、怪物にされてしまったディヴィ。愛する女性のため、傷だらけの心臓をえぐり出し、隠したのが”デッドマンズ・チェスト”。
この心臓を奪って、ディヴィを操るペケット卿。
ペケット卿と最後の決戦の場として「伝説の海賊」たちが選んだ場所が、”ワールド・エンド”。

 シリーズの流れは、最後の決戦の場へと導かれる。
果して勝敗は?
海賊たちの運命は?
第2話のラストで復活したバルボッサのように、ジャックも復活できるのであろうか?
ウィルとエリザベスの恋の行方は?
すべては見てのお楽しみである。

 謎が謎を呼ぶ一流のエンターテイメントである。すべての謎はこの完結編で解き明かされる。1部にも2部にも、その伏線が張り巡らされている。1作ごとにたくましくなっていく、ウィルとエリザベス。相変わらずとぼけているジャック。個性豊かな3人の主人公を中心に愛すべき海賊たち。一大アクションとなっているが、自分は敢えてこの作品をファンタジーに分類した。悪人のようで憎めない海賊たち。海賊魂を身につけて行くエリザベスも含んで、全編に漲る夢とロマンの冒険だからだ。
 エリザベスは、純粋で献身的に彼女を愛するウィルを愛しながらも、ジャックに魅かれて行く女心。貞淑な令嬢の姿と、スリルと危険を好む姿との常に2面性を持っているのだ。

 デップがこれまで演じてきた役の集大成が、海賊ジャック・スパロウだと言えよう。常識的な世界から外れていて、少年の心を持ち続けるキャラクターを独特の個性で見せてくれる。演技をしているというより、この個性こそデップそのものなのだ。アウトサイダー的な役柄を寡黙な演技で見せてきたが、常識にとらわれず、自由に生きて行くキャラクターが実に良く似合う。まわりと比べるとずれているが、実は自分なりの夢や信念を心の底に抱いている。日本人には絶対いないタイプだ。
 
 編んだ髪に赤いバンダナをかぶり、目には濃いメイクをほどこす。何とも奇妙な印象の顔立ちだ。キャラクターも、とらえどころがない。善人なのか悪人なのか?本心もハッキリつかめない。間を外したような話し方は、マヌケな印象もするが、窮地に立たされると、巧みな話術でまわりを自分の世界に引き込んでいく。ずるいようで、人助けもする。
奇妙でありながら魅力的なジャック。デップがジャックを演ずる事で、キャラクターに独特のカリスマ性を生み出している。
 ジャック・スパロウは、デップが演じた事によって、永遠に語り継がれる海賊の中の海賊となったであろう。
ジャックのメイクが、ローリング・ストーンズのギタリストであるキース・リチャードに影響された事は有名な話であるが、そういえばストーンズも正統派のビートルズに比べて異端児であった。


カリブの海賊の続編

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

製作年度: 2006年  3年前の前作のスタッフ&キャストが再結集した豪華な映像プロジェクト 
監督: ゴア・ヴァービンスキー 製作総指揮: ブルース・ヘンドリックス/エリック・マクレオド/チャド・オマン/マイク・ステンソン
製作: ジェリー・ブラッカイマー  ストーリー: テッド・エリオット/テリー・ロッシオ/スチュワート・ビーティー/ジェイ・ウォルパート
脚本: テッド・エリオット/テリー・ロッシオ  音楽: ハンス・ジマー
キャスト: ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ジェフリー・ラッシュ/ジョナサン・プライス/ジャック・ダヴェンポート/リー・アレンバーグ/ビル・ナイ/ステラン・スカルスガルド

 ”パイレーツ・オブ・カリビアン”は、元々3部作であるが、これほどまでに待望された続編が、これまでの映画史上にあったであろうか?
第一話の”呪われた海賊たち”のラストは、キャプテン・バルボッサの死であったがーーー。

 自由を愛する孤高の海賊、ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)、愛のために運命に立ち向かう若者、ウィル・ターナー(オーランド・ブルーム)、勝気だが正義感と勇気にあふれるイギリス総督の令嬢、エリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)。さらに、曲者揃いのブラックパール号の海賊たち。カリブ海を舞台に、前作を凌ぐエキサイティングな冒険が、空前のスケールで展開される。
 今回の見所は、ジャック・スパロウの秘められた過去と、彼の生涯最大の敵、「深海の悪霊」デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)との宿命の対決である。

 前作でエリザベスを助け出し、彼女との結婚式を目前に控えたウィルだったが、海賊ジャック・スパロウに加担したことを理由に二人は逮捕されてしまう。しかし、東インド貿易会社のベケット卿は、ジャックの持つ「コンパス」を渡せば二人を釈放するという。ウィルはこうしてジャックを探す旅に出た。
 一方、バルボッサからブラックパール号を取り戻し、再び船長に戻ったジャック。しかし彼は13年前、デイヴィ・ジョーンズと「血の契約」を交わしていた。その内容は、ブラックパール号の船長となる代わりに、13年経ったらジョーンズのフライング・ダッチマン号の船員として働き続けなければならないというもの。突然ジャックの前に現れたウィルの父親ビル・ターナー(ステラン・スカルスガルド)は契約の期限が迫っていることを告げる。
映画のタイトルにもなっている”デッドマンズ・チェスト”=”死者の宝石箱”とは?
そして、この宝石箱には何が隠されているのか?

 第2作”デッドマンズ・チェスト”は、前作”呪われた海賊たち”の続編であると同時に、3部作完結編への大いなる序章となっている。第2作と第3作は、同時に撮影され、新たなる展開を含め、観客に次作への期待をいやが上にも膨らませている。1作目を見た観客はどうしても続きが見たくなってしまうのだ。
 それにしても、女性たちを最も魅了する俳優となったジョニー・デップであるが、ファンが最も見たい彼の役が、この海賊であると言っても過言ではなかろう。
トレードマークのドレッドヘアと金歯、酔ったような立ち居振る舞い、人の隙を突く狡猾さ、本心を明かさない皮肉屋、コミカルにしてクールな風情ーーーデップの卓越した演技が物語をいやでも盛り上げている。セクシーなヒーローの誕生である。しかし、これまでの正義のヒーローとはかけ離れた、正体不明の個性的な役柄である。話術に長けている彼は、登場人物たちだけでなく、それを見ている我々をも、いつの間にか煙に巻いてしまう。

 自分は、”スター・ウォーズ”シリーズにおけるVFXを駆使した技術が、従来のSFを大きく変えたと思うが、”パイレーツ・オブ・カリビアン”は、海における”スター・ウォーズ”といえるであろう。デイヴィ・ジョーンズや怪物クラーケンは、まさにエイリアンさながらだ。ユニークで個性的な登場人物。
 さらに、この作品を盛り上げているのは、個性的な登場人物以外にも、「ブラックパール号」や「フライング・ダッチマン号」などの海賊船から、はたまた「アステカ金貨」、「北を指さないコンパス」、「死者の宝箱」などの小道具が重要な意味を持っている事である。リンゴやラム酒でさえーーー。
 
 ジェットコースターに乗ったような感覚のスピーディーな展開にユーモアを織り込んだ一級のエンターテインメントだ。前作になかった三角関係のロマンスも垣間見る事が出来る。エリザベスは、ハンサムで情熱的なウィルよりも、風変わりな海賊ジャックに段々魅かれて行く。

 前作のスタッフとキャストが再結集し、新たなキャストも加わり、謎も深まり、どう展開していくか分らない手に汗握る物語になっている。演出・演技・衣装・メーキャップ・小道具とすべてが完璧で、スケールも前作を大きく上回った、最高のエンターテイメントである。
デップのハマリ役 カリブの海賊

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

製作年度: 2003年  ミステリアスな海賊役で、新たなるワイルドな魅力を発揮するデップ 
監督: ゴア・ヴァービンスキー 製作総指揮: ポール・ディーソン/チャド・オマン/マイク・ステンソン
製作: ジェリー・ブラッカイマー  ストーリー: テッド・エリオット/テリー・ロッシオ/スチュワート・ビーティー/ジェイ・ウォルパート
脚本: テッド・エリオット/テリー・ロッシオ  音楽: クラウス・バデルト/ハンス・ジマー
キャスト: ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ジェフリー・ラッシュ/ジョナサン・プライス/ジャック・ダヴェンポート/リー・アレンバーグ/ブライ・クーパー

 ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」をモチーフに、「海賊」と「アドベンチャー」という古典的かつ普遍的アイテムに新しい息吹を与えた今世紀最大のエンターテイメントムービーのシリーズ幕開け作品である。
ハリウッドのトップ・プロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーが、驚異のVFX映像によって、見る者を冒険とファンタジーの世界へ導いてくれる。

 17世紀、海賊たちが大海原を荒らしまわっていた遥かなる時代。カリブ海の港町ポートロイヤル。
スワン総督(ジョナサン・プライス)の一人娘エリザベス(キーラ・ナイトレイ)が極悪非道な海賊バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)一味にさらわれる。バルボッサの狙いは、エリザベスが身につけていた黄金のメダルだった。このメダルは、かつて海上で助けた少年ウィルが身につけていた物であった。
 一方、鍛冶屋で働く逞しい若者へと成長したウィル(オーランド・ブルーム)は、幽閉されていた元ブラックパール号船長で一匹狼の海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)と手を組み、エリザベスの救出に向かうのだがーーー。
 かつて、ウイルが手にしていた黄金のメダルに秘められた謎とは?
何故、バルボッサはこのメダルが必要だったのか?
ウイルは果たして、エリザベスを救う事が出来るのか?
ジャックは、ブラックパール号をバルボッサに奪われ、それを奪い返すため、今ではウイルと共通の敵となったバルボッサと争う事になるが、彼の目的はそれだけなのか?

 間抜けなのか利口なのか、ウイルにとって敵なのか味方なのかも判然としない、海賊ジャック・スパロウ役を演じるデップは、この作品で新境地を開き、これが彼の代表作となる事は間違いない。
デップの古典的な海賊の衣装の着こなしと、メイクアップには目を見張るものがある。まさにデップのために作られた作品である。
 これまでデップの主演作品をレビューしてきたが、初主演の”クライ・ベイビー”、彼を世に知らしめた”シザーハンズ”、個性的な異色作”妹の恋人”や”エド・ウッド”、”ドンンファン”、”デッドマン”など。初監督作品”ブレイブ”、新境地を開いた”スリーピー・ホロー”や”フロム・ヘル”などであるが、”パイレーツ・オブ・カリビアン”は、間違いなく彼の代表作であろう。これほど見事な海賊は、デップのほかに演じられる役者はいないであろう。全編に渡り、ファニーでコミカルな海賊を演じているが、時にハッとするような表情と迫力あるアクションを魅せる。

 デップ以外の配役も完璧である。理想に燃える勇気ある若者、オーランド・ブルーム、冒険物に欠かせない男勝りの美女、キーラ・ナイトレイ、不気味で残忍な一筋縄ではいかない悪役、ジェフリー・ラッシュらもそれぞれの味を充分出している。
 物語も謎めいた、ミステリアスなノンストップ・アクションとなっている。まさに、先の展開が読めない冒険ファンタジーである。そして、17世紀へと我々を誘う素晴らしい衣装や骸骨などのCG効果。

 これ以上に、何が望まれるであろうか?
「海賊」と聞いただけで、言い知れぬロマンを感じさせる。この作品は、現代人が忘れている、夢と冒険のあの時代を思い起こさせてくれる。
映画という最高のエンターテイメントを改めて教えてくれた作品である。
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