
1967年 アメリカ・ニューシネマ(アンチ・テーゼ)−−−−恋愛のバイブル
監督:マイク・ニコルズ 原作;チャールズ・ウエッブ 音楽:サイモン&ガーファンクル
主題歌:サウンド・オブ・サイレンス/ミセス・ロビンソン/スカボロー・フェア/4月になれば彼女は
キャスト:ダスティン・ホフマン/キャサリン・ロス/アン・バンクロフト/ウィリアム・ダニエルス
自分が、映画館で友達と映画を見始めたのは、中学2年生、すなわち1967年からである。マカロニウエスタンとアメリカ・ニューシネマの花盛りであった。
アメリカ・ニューシネマは、1967年〜70年の作品で、これまでジョン・ウェインやクラーク・ゲーブルなどの正義の主人公が、ヒーローとなる、お決まりの勧善懲悪主義を真っ向から否定し、社会に問題提起した革命的作品群である。
卒業/俺たちに明日はない(67年)、/真夜中のカーボーイ/イージー・ライダー/明日に向かって撃て(69年)、ファイブ・イージー・ピーセス(70年)の6作品が、これにあたる。
中でも、自分にとっては、上記作品群で一番最初に観た”卒業”が忘れなれない。恋に芽生える中学生。異性に憧れを抱く、多感な時期である。
純愛路線を想像して観に行ったが、最初の方は、度肝を抜かれた。
主人公ベンジャミン(ホフマン)は、大学を、優秀な成績とスポーツでも数々の賞を獲得した優等生として卒業した。
しかし、これから先、何をやっていいのか決心がつかず、将来に対する不安(目的がない)を映しだした場面から、ストーリーは展開する。両親は自慢の息子のため、卒業パーティーを開くが、自分は気分が乗らない。たまたま、家に送ることのなったロビンソン夫人(バンクロフト)に挑発され、その後自分の方から夫人を誘い、こともあろうに、母親ほど年が違う彼女と関係を持つことになる。
将来の目的が定まらないまま、ロビンソン夫人との関係を続けるうち、実家に戻ってきた彼女の娘エレン(ロス)と会う。やがて、本当の恋に落ちていく訳だが、結果的に恋人の母親と寝たことになるのだ。知った娘もビックリし、当然、彼を拒絶するが、真剣に彼女を求める彼に対してーーー。
そして、ラストはあの感動的シーンだ!
ベンジャミンを無理に忘れるため、教会で別の男と式を挙げようとするエレン。
教会を探し求め、式の最中に彼女に向かって、2階の窓の外から声を振り絞って「エレーン!!」と叫び続けるベンジャミン。
振り返るエレン。そして彼女も「ベーン!!」と、魂の叫び。
やがて、ウエディング・ドレスを着たままの花嫁を、式場の教会からかっさらって行ってしまうのだ。来たバスに慌てて乗り込む二人。
映画は、ここで終わるが、「こんな話はあるわけない」とか、この先の二人を考えてはいけない。
乗客皆から振り向かれるが、バスの後部座席に座ったふたりの笑顔。
すべてのわだかまりから解放され、ふたりは、心からの笑顔を見せたのだからーーーー。
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1953年恋愛物。若き日の可憐なヘプバーン。自分にとって、恋への憧れの時期に触れた映画。
監督:ウィリアム・ワイラー 原作:ダルトン・トロンボ
脚本:イアン・マクレラン・ハンター/ダルトン・トロンボ/ジョン・ダイト
キャスト:オードリー・ヘプバーン/グレゴリー・ペック/エディ・アルバート/テュリオ・カルミナティ
音楽:ジョルジュ・オーリック
文句なしの恋愛映画の一級品。自分の生まれる前に出来た作品であるが、時代を超えて何度もテレビと映画館で放映されている。一度も観ていない人の方が少ないと思われる。特に女性が好きな映画だ。自分は、ベタベタした恋愛物は嫌いだが、この作品は自然にさらりとしている。
ヨーロッパ最古の王室の王位継承者であるアン王女(ヘプバーン)は、欧州各国を親善旅行で訪れていた。ローマでも公務を無難にこなしていくアン。しかし、ハードスケジュールで疲れやストレスが溜まり、主治医に鎮静剤を投与される。こっそり夜のローマの街へ繰り出し、やがて薬が効いてくるとベンチで寝入ってしまう。そこへ偶然通りかかったアメリカ人の新聞記者ジョー(グレゴリー・ペック)は、彼女を一国の王女であることも知らずに自分のアパートで休ませるのだが…。
偶然異国の地で巡り合う二人。全く置かれた環境・境遇も違うのに、燃え上がる二人。年の開きもかなりあるのに。お互い美男美女であるのに、これまで恋人がいないことが不思議だ。映画には、こういったシチュエーションが多い。ふとしたことから知り合う二人が、生涯無くてはならぬ人になるのだ。
現実は、どうであろうか?自分が始めてこの映画を見たのは、まだ恋が何たるかも知らぬ中学生の時だった。とても恋に憧れた。でも現実にこんな事はあり得ないのだ。だからこそ、自分たちの体験できないことに憧れを抱かせ、夢を見させるのが、映画なのだ。
自分の好きな人も、この映画が好きで何回も観ているという。同じ映画でも、年を重ねるに従って受け取り方が変化してくるものだ。若い時は、希望に満ちている。一つづつ年を取るごとに、自分の可能性が見えてくる。絶え間ない不安が襲ってくる。自分の人生は、こんなものではなかったはずだと。
それでも生きていかねばならぬのだ。良い事・楽しい事だってまだまだあるはずだ。好きな人とは、この映画の主人公たちのように年が離れている。ましてや、彼女は、私の事など何とも思っていない。この気持ちを知ったとて、笑うだろう。
しかし、報われぬ愛、無報酬の行為こそ美しいものだと思っている。この映画が好きだという”あの人”に、このレビューを読んで貰いたい。いつか、逢える日を夢見てーーーー。
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