映画ファン集合! 自分が見て感動したり、人生観を変えたような映画について語り合いたいと思います。 また、DVDのコレクション紹介とかーーーー。

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デップの異色SFサスペンス・ホラー

ノイズ

製作年度: 1999年  夫が一人深夜に聞く、ラジオからのノイズとは?   
監督: ランド・ラヴィッチ  製作: アンドリュー・ラザー  脚本: ランド・ラヴィッチ            音楽: ジョージ・S・クリントン 
キャスト: ジョニー・デップ/シャーリーズ・セロン/ジョー・モートン /クレア・デュヴァル/ ドナ・マー      フィ/ニック・カサヴェテス

 1999年には、デップ主演の作品が数多く生まれているが、シャーリーズ・セロンと共演したこの作品もそのひとつである。
 宇宙から帰還した夫。双子を妊娠した妻。そしてラジオから聞こえてくる恐怖のノイズ。新感覚のSFサスペンス・ホラーである。

 物語は美しい宇宙空間から始まる。地上に愛する妻のジリアン(シャーリーズ・セロン)を残し、スペース・シャトルに乗り込んだ、NASAの宇宙飛行士スペンサー・アマコスト(ジョニー・デップ)。ヒューストンとシャトルとの間の交信が途絶えた空白の2分間。この間にスペース・シャトルの宇宙飛行士に何が起こったのか?

 この映画は、こういった疑問を最初から観客に投げかける。宇宙空間の美しさと対比する、ジワジワと来る暗黒の幕開けである。この辺のカメラワークを中心とした演出がうまい。
交信が途絶える前に、「あれは何だ」と叫んだスペンサーは、しかし、相棒のアレックス(ニック・カサヴェテス)と共に無事帰還する。
 大統領を始め、国民や友人たちも皆彼らの帰還を喜ぶが、スペンサーの妻ジリアンだけは、夫の異変を本能的に感じて行く。やがて、双子を身ごもるが、言い知れぬ恐怖感は増すばかりである。
そして、夫が深夜に聴いているラジオから流れる”ノイズ”の正体を知った時、物語は戦慄のクライマックスを迎える。

 宇宙での出来事となればSF、SFには宇宙人、とすぐ連想が行きがちだが、宇宙人とは一体?
見ていない人のために多くは語れないが、宇宙人を扱ったこれまでの作品とは明らかに異色である。相変わらず、表情の変化に妙を魅せるデップであるが、これまたこれまでとは違った役割を演じている。妻役のセロンの演技も光る。何故、どうやって、夫の変化に気付いて行くのか?
その過程と、迫りくる恐怖の表情を見事に演じている。

 また、製作も衝撃のラストまでに、”空白の2分間”、”奇跡的生還”、”妻の双子の妊娠”、”同僚の異常な死”、”NASA捜査員の失踪”、”ラジオから聞こえるノイズ”、”それををじっと一人聴く夫”など多くの伏線を張っている。
いやがうえにも、観客を不気味な恐怖の想像に掻きたてて行く構成だ。しかも、ラストの展開が読めない。見る者を驚愕させるであろう。

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デップの監督デビュー作

ブレイブ

製作年度: 1999年  ネイティヴ・アメリカンの男の最期の日々を描いたドラマ   
監督: ジョニー・デップ  製作総指揮: ジェレミー・トーマス
原作: グレゴリー・マクドナルド  脚本: ポール・マクガドン/ジョニー・デップ/ディ・ピー・デップ   音楽: イギー・ポップ 
キャスト: ジョニー・デップ/マーロン・ブランド/エルピディア・カリロ/マーシャル・ベル/フレデリック・フォレスト

 この映画は、俳優ジョニー・デップの初監督作品であるが、デップは監督だけでなく、実兄ディ・ピー・デップ と共に脚本も書き、主演もこなしている。地味な作品だが、デップの新境地と言えるだろう。大物マーロン・ブランドも友情出演している。

 デップは、貧困な生活にあえぐネイティヴ・アメリカンの役を演じ、自分の命と引き換えに家族のために大金を手にする。
 寂れたビルの一室から現れる謎の男マッカーシー(マーロン・ブランド)。カメラは、敢えて全体の色彩を殺し、暗い不気味なイメージを演出している。ブランドの不気味さもよく出ている。そして、彼が持ちかけた恐るべき話とはーーー。
 結局、ラファエル(ジョニー・デップ)は、マッカーシーの申し出を受け入れ、己の命と引き換えに5万ドルを手にする決心をする。明日の糧を得る職もなく、村は大企業の買収を受け、追い立てが迫っていた。ラファエルは、自分が身を捨てることで得た金5万ドルで家族と村を救ってくれと神父に嘆願する。
残された期限は1週間。彼は、妻リタ(エルピディア・カリロ)と息子たちを精一杯愛し、庭に小さな遊園を作り、村の人々とも祭りを楽しむ。
そして約束の日、静かに村を去り、死に場所であるビルの一室へ向かうのだった。

 これはタイトル通り、愛する者のために命を捨てる男の”勇気”がテーマとなっている。全画面、色彩を殺し、淡々と時間が経過していく。死に向かっての厳かな儀式のごとく。救いはない。
 自分は、愛する者のために命を捨てられるであろうか?大いに考えさせられた。

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母と娘の間で揺れ動くデップ

アリゾナ・ドリーム

製作年度: 1992年  不毛の地アリゾナを舞台に奇妙な登場人物たちが織りなす、人間喜劇   
監督: エミール・クストリッツァ  製作総指揮: ポール・R・グリアン
脚本: デイヴィッド・アトキンス  音楽: ゴラン・ブレゴヴィッチ( ロック・グループ ホワイト・ボタン)
主題歌: イン・ザ・デス・カー(ゴラン・ブレゴヴィッチとイギー・ポップの競作) 
キャスト: ジョニー・デップ/ジェリー・ルイス / フェイ・ダナウェイ / ヴィンセント・ギャロ / リリー・テイラー / ポーリーナ・ポリスコワ

 この作品は、旧ユーゴスラヴィア、サラエボ出身のエミール・クストリッツァ監督が初めてアメリカを舞台に選び、異邦人の目から見たアメリカン・ドリームとその夢の墓場を、不思議な浮遊感覚で描いている。

 漁業局で毎日、魚を数える仕事をしているアクセル(ジョニー・デップ)の夢は、アラスカでオヒョウを釣り上げること。故郷アリゾナから叔父レオ(ジェリー・ルイス)の使いでポール(ヴィンセント・ガロ)が現われ、レオの結婚式の介添人を努めてくれと言い、アクセルを連れに来た。
 ポールの夢は、映画スターになること。レオの手伝いで車のセールスを始めたアクセルの前に、未亡人のエレイン(フェイ・ダナウェイ)と義娘のグレース(リリ・テイラー)が現われる。夫を射殺した過去のあるエレインの夢は空を飛ぶことで、自殺願望のある娘の夢はカメになること。

 このように、登場人物たちは、それぞれの夢を持っている。エレインに一目惚れしたアクセルは、彼女のために飛行機を作る。しかし彼は、エレインの娘のグレースとも関係を持ってしまう。母娘の間で彼の心は揺れ動いた。この辺りは、「アメリカン・ニューシネマ」の”卒業”を思い起こさせる。これも監督の「アメリカン・ドリーム」であろう。つまり、タイトルのごとく、アリゾナにおけるドリームなのだ。
皮肉なことに、キャディラックのディーラーをし、最もアメリカン・ドリームを信じていたレオは、新婚早々自殺してしまう。アクセルに対して「キャディラックは時代遅れだ。お前も大人になれ」と言い残して。

 常に若い男を求め、恋する母エレインを憎むグレースは、何度も狂言自殺を母親の前で謀るが、ついに愛するアクセルを母親に取られたとして、二人の前で拳銃自殺する。
 アクセルはアメリカにはもう、夢など残っていないことに気づく。最後に彼は、アラスカでレオとオヒョウを釣り上げる夢を見た。レオの手にしたオヒョウが空を泳いでいった。

 アメリカン・ドリームを追った登場人物たち。叶わぬ夢と自殺するレオとグレース。恋多きエレインも幸せであったのだろうか?映画スターを夢見るポールも夢でしかない。アクセルも母娘と関係を持ってしまったが、彼が本当に愛したのはどちらだったのだろう?最後に彼が見た夢ーーー。

 夢やロマンがなければ人生は空しい。しかし、叶わぬ夢を追うのも空しいかも知れない。
どんなに相手を愛してもーーー報われなければ空しいものだ。

 この映画の背景カラーには鮮やかさがない。不毛の地アリゾナで見た人々の夢は不毛のもであったのかもしれない。見終わった後、索莫とした寂寥感に襲われた。
愛する事は誰でも出来る。愛されることこそ大切な人生なのだ。
すべての人が、夢見ていたあの頃、そんな時代はもう終わったのかもしれない。

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若き日のデップの恋

マイアミ・ホット・リゾート

製作年度: 1985年  リゾート地・マイアミで様々な騒動を繰り広げるドタバタ青春コメディ   
監督: ジョージ・バワーズ  脚本: ゴードン・ミッチェル  
キャスト: ジョニー・デップ/ロブ・モロー/カリン・オブライアン/エミリー・ロングストレス

 マイアミと聞くだけで血が騒ぐ。すぐ目に浮かぶのは、常夏のビーチと、そこに群がる美女・美女・美女。中年親父でさえ、クラクラッと来るのだから、健康的な若い男にはたまったもんじゃないだろう。
それこそ全身が疼くっていうものだ。若かりし頃、誰でも経験があろうが、年中SEXのことしか頭にない。特に夏になると、アバンチュールを求めて、東京育ちの自分は大島や新島、式根島などに出向いたものだ。(当時は学生の身分で、海外など行けなかったから)
 でも、よく言われるように、夏の恋は続かない。島が独特の雰囲気にさせるのだ。都会に戻ってから逢ってみても、そういう雰囲気にはなれない事が多かった。

 ”マイアミ・ホット・リゾート”は、自分ら親父に、青春を思い出させる作品だ。
この手の映画は、イスラエルの”グローイング・アップ”、イギリスの”さらば青春の光”などアメリカ映画以外にも多々あるが、”ウエスト・サイド・ストーリー”、”理由なき反抗”、”おもいでの夏”、”青春白書”など、やはりアメリカが一番合っている。底抜けの明るさに欠け、貞淑が美徳とされ、ハニカミ屋の多い日本では、あり得ない。学生時代の自分なども、周りから奇異な目で見られていた。

 ジョニー・デップには、アメリカの代表的青春スターである”理由なき反抗”主演のジェームズ・ディーンの面影がある。両者ともハンサム・ボーイだし、哀しげな眼をしており、時に男の影を見せる。自分は、そういった俳優が大好きだ。日本人には、あまりいないタイプである。気障なようだが、自分はそんな男を目指してきた。
 
 自分は、今でも恋している。50過ぎの親父が〜、と人には笑われるだろうが、年の事を思ったらそれだけで老ける。気分だけは、いつまでも若くいたいものだ。その人を想うだけで、ハラハラ・ドキドキ、胸を締め付けられる思い。人はいつしか、そんな気分を忘れている。ある人が言った。「自分は片想いが好きだ。その方が、ハラハラ・ドキドキが続く」ーーーと、でも自分は嫌だ。それじゃ明日がない。今はダメでも、将来はーーー、という夢がなければ、希望も生甲斐も無くなる。
 
 一体、人は何のために生きているのだ。金?名誉?名声?そんなものは、時間と共に忘れられる。まして金なんぞ、生きる手段であって目的ではない。
「肉体が滅んでも魂は残る」とは、よく言われる事だ。しかし、魂は見えないし、死後の世界から戻った人はいない。この世に未来永劫なんてものはないのだ。

 人の心は掴みにくい。一生同じ気持などあり得ないし、常に迷い、揺れるものだから。言葉は所詮無力だし、いくら片方が「愛してる、愛してる」と言い続けても、相手が他の者に決めていれば、変わる訳がないのだ。そんな事は、映画の世界だけである。だから我々は、映画の世界に憧れ、映画のような恋をしてみたいのだ。それは、虚構の世界である。でもそれによって、チョッピリでも夢が見られれば良いのだ。

 この映画も、そんな現代人が忘れているモノを思い出させる作品だ。ストーリーは単純だし、特に取り挙げるものはない。SEXのことしか頭にない二人の青年が、夏の間、リゾート地のホテルに滞在し、彼女をモノにしたいというよくある話だ。他の滞在客も、夫婦生活のマンネリ化を感じ、若い男とアバンチュールを楽しみたいと思っている人妻。ウエイトレスをしながら、甘い恋を夢見る少女。職権で、その彼女をモノにしようと狙うレストランの支配人。筋骨隆々の女ジゴロなど、色んな人間関係が絡み合ったドタバタ劇である。別に考える事もなく、見たままをストレートに楽しめば良い能天気な映画である。

 青春を忘れている中年諸氏、今青春真っ盛りの青年諸君。男の立場からも女の立場からも、すべての人の共通のテーマである。この世には、男と女しかおらず、”恋愛”は、人として永遠のテーマなのだから。

「人間は、恋と革命のために生きる」太宰治の言葉である。

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デップの原点となるテレビ・ドラマ

21ジャンプ・ストリート


製作年度: 1987年〜1990年  デップが若き警官を扮する青春サスペンス・アクション   
監督: ジョージ・モンテシ/ビル・コーコラン/ジェームズ・ホイットモア・Jr/キム・マナーズ  
製作: パトリック・ハズバーグ・プロダクション/スティーブン・J・キャネル・プロダクション    
キャスト: ジョニー・デップ/ホリー・ロビンソン・ピート/ピーター・デルイーズ/ダスティン・ヌエン

  『21ジャンプ・ストリート』は、1987年〜1990年に放送されたアメリカの人気TVドラマであるが、ジョニー・デップの出世作で、彼はこの作品で、一気にアイドルの地位を築くことになる。デップの『ハイスクール・コップ』版である。 
 
 トム・ハンソン(ジョニー・デップ)はそのベビー・フェイス故に、青少年犯罪特別捜査課"21ジャンプ・ストリート"に所属することになり、青年犯罪を撲滅するべく相棒のダグ・ペンホール(ピーター・デルイーズ)や美人の女警官ジュディ・ホフス(ホリー・ロビンソン・ピート)と共に、高校に潜入捜査を始める。そこでは、「麻薬取引」「売春」「殺人依頼」「自殺」などさまざまな事件が渦巻いていた。

 新米警官のハンソンは、警察学校を首席で卒業したが、甘いマスクの童顔ゆえ、捕まえた犯人にも馬鹿にされる始末。充分高校生として通用するマスクから、高校生の犯罪を潜入捜査する特別チーム”21ジャンプストリート”に配属されることになった。転校生になりきって、高校に潜入するわけだ。
麻薬、同性愛、エイズ等シリアスな内容も扱って、数々の社会問題を取り上げた人気テレビドラマであった。
 本人は、自分がアイドル視されることを嫌い、早く降板したかったようだが、番組は高視聴率をあげ、デップの人気も急上昇した。
このシリーズでは、デップの表情は実に豊かだ。ある時は、ガリ勉の優等生、またある時はスポーツ少年、不良少年に、良家のお坊ちゃんと色々な高校生に扮し、色んな高校へ転校していく。
アメリカの高校は、マフィアなどの手先となり、悪の巣窟となっている。そこへ潜入し、色んな事件を解決していくのである。デップはこの頃から”眼”で演技している。違った役どころを見事にこなし、回が進むにつれて、可愛さからセクシーさも発揮してくる。同僚のホフスに恋心を抱く場面も出てくる。

 ハンソンの最初の上司であるジェンコ警部も良かった。ヒッピーまがいのロッカーで、ジミ・ヘンを崇拝していた。ユーモアもあり、部下も全員彼を慕っていた。シリーズのラスト近くに死んでしまい、上司が変わってしまう。「別れと再出発」としてーーー。
 個性的な同僚とも息が合っていた。黒人の美人女警官ホフス、タフガイのダグ、チャイニーズ系カンフーの達人ハリー(ダスティン・ヌエン)の3人である。このメンバーは変わらず、シリーズの最後まで登場する。一話一話、違ったテーマでミステリー仕込になっており、よくまとまったドラマであった。若き日のデップの魅力が充分堪能できる。

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